6/22 静岡新聞 記事より

6/19 伊豆新聞 記事より

西伊豆町教育委員会発行(7/1)
生涯学習だより「ゆうひ」より

 

吹奏楽マガジン BANDPOWER 掲載
石塚聡氏によるレポート

井口有里・大内邦靖 トロンボーン・ドュオ 
リラックスコンサート in 西伊豆町
平成18年6月18日 午後1時30分開場 午後2時開演
会場 西伊豆町中央公民館 3F 多目的ホール
主催 西伊豆町教育委員会レポート 石塚 聡(西伊豆町在住)

 なんと!今回、私の住む西伊豆でトロンボーン2本、ピアノ&シンセサイザーの編成によるコンサートが開催されました。
演奏者は井口有里氏(東京都交響楽団団員)、大内邦靖氏(玉川大学講師)、山田直子氏(鍵盤奏者)。 このような一線で活躍中のトロンボーンプレイヤーが、伊豆半島の中でも至極交通の不便な西伊豆町でコンサートを開催、しかも入場無料(西伊豆町教育委員会主催)とは一生に一度有るか無いかのチャンスであり、この日がくるのを指折り数えて待っていました。

 当日はあいにくの雨模様でしたが、地元の方を中心に老若男女の幅広い客層で会場(180席)は8割程の入り。 いよいよ開演。オープニングは大内氏が、この日のために西伊豆の海と山をイメージして作曲したという「碧と緑のファンファーレ」。
緞帳が上がると波の音。そして舞台袖から柔らかく、しかし芯のあるトロンボーンの音色が!やがて波の音が小鳥の囀りへ。続くトロンボーン2本のファンファーレ。西伊豆の自然が表情豊かに音楽として表現されました。

 続いてトロンボーンドュオ結成時、最初のレパートリーというエルガー作曲「愛の挨拶」。さすがはご夫婦の演奏。普段のラブラブぶりが感じられる相手を思いやるような掛け合いの演奏が曲にぴったり。 楽器の紹介では音の出る仕組みを透明ホースに漏斗を繋いだ特性トロンボーン(?)を使用した説明があり、客席一同納得! 「猫の2重唱」ではユーモラスに、「ピエ イエズ」では荘厳に、「パ パ パ」では軽快にとプレイヤーの技量により、トロンボーンの様々な音、表情を聴くことが出来ました。 大内氏の快調なトークを交え第1部はトロンボーンドュオとピアノにより、クラシックものを中心に進んで行きました。

 第2部は音楽世界めぐり。トロンボーン2本とピアノにシンセサイザーが加わり(山田氏の持ち替え、ピアノとシンセの同時弾きが見事!) 世界各国のいろいろな曲が演奏されました。途中1曲づつ大内氏(ロンドンデリーエアー)、井口氏(オー・ソレ・ミオ)のソロ演奏もあり、ポピュラーソングや民謡、ポルカなど親しみやすい曲が演奏されました。 個人的にはボサノバの定番「WAVE」の演奏が、まるでトロンボーンのために作曲された曲と思えるような違和感のない演奏で、オリジナルよりしっくりしていたと思います。 最後は日本の童謡メドレーである「日本の四季の唄」。演奏時間が10数分におよぶ力作&力演。お馴染みのメロディーばかりで幼稚園生からお年寄りまで、客席も一体となり楽しめました。

 アンコールで演奏された平井堅の「瞳をとじて」での情感たっぷりの演奏。これもトロンボーンの音色にぴったり!本当に心に染み入りました。

 今回、演奏時間が第1部、第2部あわせて80分を超えるという、金管楽器の演奏会としては長時間に及ぶコンサートでしたが、ピアノ、シンセサイザーの工夫された使い方と、トロンボーンの会場いっぱいに響き渡る柔らかく暖かい、それでいて芯のある音色。確かな技術に裏打ちされ、様々な表情を表現し聴かせるプレイヤーの演奏で飽きることなく、又ライブハウスのような小さな会場の効用か、プレイヤーと客席がほのぼのとした空気に包まれたアットホームな空間で聴くことができ、本当に至福の時間を過ごすことができました。

 

井口有里・大内邦靖 トロンボーン・ドュオ 
リラックスコンサート in 西伊豆町

プログラム

第1部

1 碧と緑のファンファーレ<初演>(大内邦靖)
2 愛の挨拶(E.エルガー)
3 楽器のお話し<音の出るしくみ>
4 シャウティン・ライザ・トロンボーン(H.フィルモア)
5 猫の2重唱(G.ロッシーニ)
6 ピエ イェズ(A.ロイドウェッバー)
7 パ パ パ(W.A.モーツァルト)

第2部

1 Around the world(V.ヤング)
2 バイエリッシュ・ポルカ(G.ローマン)
3 ロンドンデリーエアー(アイルランド民謡)
4 オー・ソレ・ミオ(イタリア民謡)
5 WAVE(A.C.ジョビン)
6 ハワイアン・ウェディング・ソング(C.E.キング)
7 日本の四季の唄(山田直子 編曲)

トロンボーン ドュオ
井口 有里
大内 邦靖

ピアノ&シンセサイザー
山田 直子

音響・マニピュレーター
山田 孝夫