自作品についてのコメント集
作曲した作品について公開したコメントをまとめてみました。
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Creation (2021) NEW
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当サイトオリジナルコメント 1991年、桐朋学園大学金管10重奏マスタークラス(指導;三輪純生氏)のために作曲。その後、後輩たちにより再演されている。おなじみの「ずいずいずっころばし」のメロディーが、遊び心にあふれた多彩なスタイルに変化していく。KOOWS Edition より出版され、好評を得ている。(当サイトオリジナルコメント) <Brass Ensemble Rustic> |
ハイパートロンボーンズHPより 1996年に初演された「システム7」の第6楽章「フィナーレ」は、当初、より長い作品として作曲されたが、他の楽章とのバランスや演奏上の体力の配分などを加味して現行の長さに縮小されました。この「グランド・フィナーレ」は、いわば、ノーカット版!単品でコンサートのステージに上げられるサイズです。「システム7」全曲の演奏は難しいという皆さんにも、気軽に取り組んでいただける作品です。カルテットに引けをとらない重厚ハーモニーがご好評いただいており、その声に推されての登場です。 <Hyper Trombones> |
KOOWS Edition 作品紹介より コンサートのオープニング用に創られたファンファーレですが、E〜Dの音をテーマにディレイ効果や変則的なリズムなどを用いて、純粋にトロンボーン・ドュオとしての面白さを引き出した作品になっています。短いですが、格調高く、内容の濃い作品です。 当サイトオリジナルコメント 2005年2月25日のピオニイ第2保育園でのコンサートのオープニング用に書き下ろしたオリジナル作品。短いファンファーレですが、格調高い雰囲気をつくり出したいと思って創りました。テーマは、愛娘の名前からひねり出しています。 <Trb. 大内邦靖・井口有里> |
Fanfare for Blue and Green(2006) KOOWS Edition 作品紹介より 海と森の出会う町そして夕日の町、西伊豆町でのコンサートのオープニング用として作曲。のびやかにうたう海のテーマと戯れる森のテーマがひとつに融けあっていく構造になっています。 夜明けとともに目覚める碧・・・漆黒から生まれた碧 トロンボーンのみでの演奏も可能ですが、付属のCD-Rに収められた波の音や鳥の声とともに演奏したり、照明などを利用すると演奏効果は絶大です。技術的には比較的平易に書かれています。
当サイトオリジナルコメント 2006年6月、西伊豆町でのコンサートのオープニング用に作曲。海と森が出会う西伊豆町の自然をイメージして創りました。西伊豆は本当に自然の色彩が豊かな町。釣りや海水浴、シーカヤックなどでよく訪れる、大好きなところです。 −中略− 伴奏には、楽音ではなく、自然の音を使用していますが、楽音同様に聴き分けることを要求しています。 <Trb. 大内邦靖・井口有里> |
Stellate Relation for 5 Trombones(2008) 玉川大学トロンボーンアンサンブル 第2回演奏会 プログラムノートより この宇宙(Universe)で5つの星達(Stars)が遭遇します。それぞれに個性的な輝きと重力をもつ星達の接近は、この時空にひずみと不協和をもたらしました。均衡を求めて星達はお互いの距離や役割について模索し始めます。いったんは、自らを最も規範的な法則に則って変形することで、それぞれのスタンスを得ようと
試みますが、彼らの個性的な輝きは、それを容易には実現させませんでした。しかし、彼らは気付きます。自らの変形ではなく、それぞれがブレのない、よりPureな輝きを放つことで得られる、超自然的均衡「星状の関係」が存在することを・・・ x+5+5+5+5=X+6+9
「よーし!今年は専攻生のためにオリジナルの5重奏書いてやるか!」 <玉川大学芸術学部Trb.Ens.> |
2011年夏に、トロンボーン3重奏のアカデミックなレパートリー拡充を目的に作曲しました。2012年3月25日、玉川大学トロンボーンアンサンブル第5回演奏会において、同大学芸術学部トロンボーン専攻生によるアンサンブルにより初演。2012年4月1日にHyper Collectionより楽譜が発売されています。 玉川大学トロンボーンアンサンブル 第5回演奏会 プログラムノートより トロンボーンアンサンブルの最もポピュラーな編成は4重奏で、そのレパートリーは他の編成に比べ群を抜いています。それに対し3重奏のレパートリーは極めて少なく、まだまだ一般的な編成とは言いません。トロンボーン3重奏の振興と普及には私自身、ハイパートロンボーンズのメンバーとして20年来取り組んでまいりましたが、この度、玉川大学芸術学部の学生諸君にもその重要な任務の一翼を担っていただく事にしました。 本日初演していただく作品は、テナートロンボーン3本で演奏出来るように音域に制限を加え、中級者の方々にも広く挑戦していただけるように、極端な高等技術の使用を避けました。しかし、これまで、標題的な作品で具体的なイメージをサポートしていたのに対し、敢えて絶対音楽に拘りました。リズムやバランスなどのアンサンブル感覚も、かなり高度な要求をしています。これらを克服して、今後この作品に挑戦してくださる方々のお手本となるような演奏を期待しています。(大内) ハイパートロンボーンズHPより ハイパートロンボーンズは結成(1991年)から20年以上もの間トロンボーン3重奏のレパートリー拡大とその可能性の追求に取り組んできました。このハイパーコレクションによって、私たちが開拓してきた作品を皆さんにお届けする事が出来るようになり、トロンボーン3重奏の認知度や実際にそれを楽しんでくださる方々が増大したことを大変嬉しく感じています。 1st Trb. (Low Bb 〜 High G) 決して技術的に簡単な作品ではありませんが、トロンボーン吹きが創った作品ですから、耳から聴く印象ほどは難しくはありません。アンサンブルコンテストなどで上位大会を目指すチームや、優秀なメンバーが3人揃った時は、是非挑戦してみてほしいと思います。 <Hyper Trombones> |
TKB 25 for 2 Bass Trombones and 5 Trombones(2012) 2011年に、「つくばトロンボーンクラブ」の委嘱により、同団25周年記念演奏会記念作品として作曲。同演奏会(2012年2月19日筑波ノバホール)において初演。「つくばトロンボーンクラブ」は、筑波大学管弦楽団のトロンボーンセクションとそのOB・OGによるトロンボーンアンサンブルで、年に1回の定期公演を行い、精力的に活動しています。初演にあたっては、難曲にも拘わらず、情感溢れる演奏を披露してくださいました。 つくばトロンボーンクラブ 第25回定期演奏会 プログラム寄稿文 つくばトロンボーンクラブの25年もの重厚な歴史に最高の敬意を持ってお祝いを申し上げます。また、この節目に、記念作品の委嘱をいただいたことを大変光栄に感じています。
<つくばトロンボーンクラブ> |
10801 for Brass Quintet (2015) 2015年、富山県出身の金管楽器奏者によって結成されたBrass Collectionの委嘱により作曲され、同アンサンブルの演奏会「日本の作曲家による金管5重奏の新しい世界」(2015年9月27日富山 2015年9月28日滑川)において初演された。 プログラムノートより 「視覚的効果も取り入れたこれまでにないような作品を!」というご依頼を受け、動きを表現方法の1つとして取り入れた。富山に根ざしたアンサンブルからのご依頼だったので、「富山湾」にまつわる5つのエピソードを設定して作品を構築した。それらは連続して演奏される。 1)Divers in-ventilation 「ダイバーのインヴェン(チレイ)ション」 2)Crystallazing lives 「水晶化した命」 3)Cramsy Big Mouth 「不器用な大口」 4)Winter Hot Rodder 「冬の暴走族」 5)Illuminated Sadness 「電飾された悲しみ」 (文:大内邦靖)
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Doppio Trio for 6 Trombones (2016) プログラムノートより 2016年、山梨トロンボーン倶楽部の委嘱により、結成20周年記念作品として作曲され、同年9月25日コラニー文化ホール(山梨県立文化ホール)にて開催された同団結成20周年記念演奏会において初演された。 2組のトロンボーントリオがステレオ効果を発揮しながら展開します。当時の同倶楽部会長 久内(くない)氏(当時83歳
2017年1月逝去)の名字「971(くない)」の数列を元にテーマを紡ぎ出し、演奏しやすく実用性ある作品を目指して創作しました。連続する長3和音により祝祭感を演出しながら、頻繁にLRチャンネルが切り替わる仕掛けを仕組んでいます。生で聴く事でその効果は一層実感できるのではないでしょうか。 大内邦靖(2017年12月7日)
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Mutants for Trombone Quartet (2018) 大内邦靖 個展2018 Mutants プログラムノートより 2018年、大内邦靖個展2018のために作曲され、初演したトロンボーンアンサンブルENに献呈された作品です。以下の4つの楽章から成り、全編ミュートを使用して演奏されます。ミュートの特性をユーモラスに音楽に生かし、トロンボーン4重奏の「異形種」を目指した作品です。 1. Straight 2. Cup 3. Waw wah 4. March 以下に初演時のプログラムノートを転載します。 1楽章では「異形種とは何だ?」という直球(Straight)な哲学に挑みました。少数派が異形種なら括り方次第ではあなたも、私も異形種かもしれない・・・と 2楽章では「甘受すべき運命」(Cupにはそのような意味もあるそうです)について考えました。異形種を待ち受ける運命とは?抗えない運命に対する畏敬(?)の念・・・ 3楽章では「異形種の憩いや癒し」を取り上げました。さあ、皆さんも言ってみましょう!「いけいしゅのいこいやいやし」「いけいしゅのいこいやいやし!」 4楽章では「異形種の大行進」を描きました。それぞれ歩みの違う個性的なMutantsが行進します。皆さんはぴったりシンクロしている行進がお好きですか?
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第6回全国・市民トロンボーンアンサンブル・フォーラム パンフレットより 2018年秋、第6回全国・市民トロンボーンアンサンブル・フォーラム(和歌山大会)実行委員会より委嘱を受け、同年10月7日和歌山市和歌の浦アートキューブで開催された同フォーラム演奏会で初演された。全国・市民トロンボーンアンサンブル・フォーラムは2013年に山梨からスタートした全国を巡会する生涯学習情報交換会で、アマチュアトロンボーンアンサンブル団体の皆さんがその運営や上達の為の情報をシンポジウムや演奏会を通して発表、共有する会です。これまでに開催されてきた都道府県の代表奏者により演奏され、タイトルのWISNYはW和歌山、I 茨城、S 静岡、N 長野、Y 山梨の頭文字。舞台上に配されたWの奏者が客席を取り囲むように配されたその他の奏者を統制しながら展開する趣向。5チャンネルの立体音響効果をねらっている。
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Monolog, Deformed Canon and Unexpected Finale or Prelude (2019) 2019年、トロンボーン奏者廣瀬大悟氏の委嘱により作曲したトロンボーンとチェロの2重奏曲。同年8月9日、石川県金沢市のヤギヤにおいてトロンボーン廣瀬大悟氏、チェロ井上貴信氏によって初演された。演奏場所をBack-Stage、Main-Stage、Sub-Stageの3カ所を設定し、基礎練習中のトロンボーン奏者と華やかな舞台で演奏会をする世界的チェロ奏者の2元中継を見ているかのような効果をねらった作品。 初演 室内楽の楽しみin 金沢 feat. 廣瀬大悟(Tb) プログラムノートより モノローグ、変形されたカノンと意外なフィナーレまたは前奏曲 最も信頼し敬愛する廣瀬氏からの依頼を断れるはずがない。指令は「トロンボーン奏者の、チェロ奏者に対する羨望、挑戦、挫折、諦観を音楽で描け」・・真の音楽を知るトロンボーン奏者だからこそ抱く感情・・・共感と共に、ふと別の感情が湧いた。皆様には同時刻に別々の空間で起こる出来事を2画面でご覧いただく。どうかトロンボーン奏者には拍手を送らないでほしい。その代わりチェロ奏者には盛大な拍手を!皆様も作品の一部となって。 |
2021年、Sun Bones Trombone Trio の委嘱により作曲したトロンボーン3重奏曲。同年8月26日、日暮里サニーホールにおいてSun Bones Trombone Trio(武内紗和子、岡村哲朗、石井徹哉 各氏)によって初演された。身体表現や水を入れた瓶をストローで吹くなどの特殊な演奏を交えて、0からの創造と0への収束を描いた作品。 初演 Sun Bones Trombone Trio 東京公演 プログラムノートより 「天地創造 〜 Creation 〜」(2021) 作曲 大内邦靖 Kuniyasu Ouchi Sun Bones Trombone Trioとの最初の出会いは、数年前、拙作「System 7 for
3 Trombones」を取り上げてくださった大阪の演奏会に伺った時です。圧倒的な演奏技術と作品の意図を正確に汲んだ演出に大変感激したのをよく覚えています。 |