自作品についてのコメント集

作曲した作品について公開したコメントをまとめてみました。

Index

10801 for Brass Quintet (2015)
Doppio Trio for 6 Trombones (2016)
 

 

Zui Zui Zukkorobashi(1991)

当サイトオリジナルコメント

 1991年、桐朋学園大学金管10重奏マスタークラス(指導;三輪純生氏)のために作曲。その後、後輩たちにより再演されている。おなじみの「ずいずいずっころばし」のメロディーが、遊び心にあふれた多彩なスタイルに変化していく。KOOWS Edition より出版され、好評を得ている。(当サイトオリジナルコメント)

<Brass Ensemble Rustic>

 

System 7 for 3 Trombones(1996)

ハイパートロンボーンズHPより

 1996年、ハイパートロンボーンズ「自作自演コンサート」にて初演。アップル社のコンピュータ、マッキントッシュのイメージをヒントに作曲された。標題のシステム7は、当時のOSの名称。「7」という数字にこだわって構成されており、7つの音から なるテーマによる7つのバリエーション。また、奏者の身体的動きにも指示があったり、実質1分以上にもなる長いポーズなどが表現の重要な要素になっている。「CDを聞 くだけで完結してしまうような音楽ではなく、コンサート会場に足を運んで初めて真価の分かる作品を作ろうという気持ちで創った。」会場でおこるハプニングも含めて、聴衆をも巻き込んだ形で作品が完成する。2000年、日本トロンボーン協会と日本現代 音楽協会の共催によるトロンボーンフェスタにおいて再演され好評を博した。

1. System 7
2. Love of a Professional-composer
3. 32bit address
4. System error-Restart
5. After Dark
6. Finale
7. Encore

 

現代の音楽展2000 トロンボーンフェスタ プログラムより

 七変化、七曲がり、七色、七つ道具など「7」という数字はバリエーションを象徴する数として捉えられています。(因みに、トロンボーンも7つのポジションを持っています。)この作品は1996年、ハイパートロンボーンズの「自作自演コンサート」のために作曲しました。C C Db C F Eb C という7つの音からなるテーマによる7つのバリエーションです。そもそも「システム7」とは、作曲当時使用していたコンピュータのシステムの名称です。この機械仕掛けの不思議な箱に対するイメージをもとに作曲しました。・・・・しかしながら、これらの事は、聴衆のみなさんにとっては大した意味を持ちません。ただ単純に作品を楽しんでいただければ本望です。

<Hyper Trombones>

 

Grand Finale(1996)

ハイパートロンボーンズHPより

 1996年に初演された「システム7」の第6楽章「フィナーレ」は、当初、より長い作品として作曲されたが、他の楽章とのバランスや演奏上の体力の配分などを加味して現行の長さに縮小されました。この「グランド・フィナーレ」は、いわば、ノーカット版!単品でコンサートのステージに上げられるサイズです。「システム7」全曲の演奏は難しいという皆さんにも、気軽に取り組んでいただける作品です。カルテットに引けをとらない重厚ハーモニーがご好評いただいており、その声に推されての登場です。

<Hyper Trombones>

 

FANFARE on the Peony II(2005)

KOOWS Edition 作品紹介より

 コンサートのオープニング用に創られたファンファーレですが、E〜Dの音をテーマにディレイ効果や変則的なリズムなどを用いて、純粋にトロンボーン・ドュオとしての面白さを引き出した作品になっています。短いですが、格調高く、内容の濃い作品です。

当サイトオリジナルコメント

 2005年2月25日のピオニイ第2保育園でのコンサートのオープニング用に書き下ろしたオリジナル作品。短いファンファーレですが、格調高い雰囲気をつくり出したいと思って創りました。テーマは、愛娘の名前からひねり出しています。

<Trb. 大内邦靖・井口有里>

 

Fanfare for Blue and Green(2006)

KOOWS Edition 作品紹介より

 海と森の出会う町そして夕日の町、西伊豆町でのコンサートのオープニング用として作曲。のびやかにうたう海のテーマと戯れる森のテーマがひとつに融けあっていく構造になっています。

 夜明けとともに目覚める碧・・・漆黒から生まれた碧
  碧はしだいにその明るさをまし緑を映す・・・にわかに緑はざわめきたつ
   碧は限りなく碧く賛歌を唱い 緑は限りなく緑に躍り戯れる
 あれほど碧かった碧も あれほど緑だった緑も
  一日の終わり すべてまばゆいオレンジの中に融けてゆく・・・

 トロンボーンのみでの演奏も可能ですが、付属のCD-Rに収められた波の音や鳥の声とともに演奏したり、照明などを利用すると演奏効果は絶大です。技術的には比較的平易に書かれています。

 

当サイトオリジナルコメント

 2006年6月、西伊豆町でのコンサートのオープニング用に作曲。海と森が出会う西伊豆町の自然をイメージして創りました。西伊豆は本当に自然の色彩が豊かな町。釣りや海水浴、シーカヤックなどでよく訪れる、大好きなところです。

−中略−

伴奏には、楽音ではなく、自然の音を使用していますが、楽音同様に聴き分けることを要求しています。

<Trb. 大内邦靖・井口有里>

 

Stellate Relation for 5 Trombones(2008)

玉川大学トロンボーンアンサンブル 第2回演奏会 プログラムノートより

 この宇宙(Universe)で5つの星達(Stars)が遭遇します。それぞれに個性的な輝きと重力をもつ星達の接近は、この時空にひずみと不協和をもたらしました。均衡を求めて星達はお互いの距離や役割について模索し始めます。いったんは、自らを最も規範的な法則に則って変形することで、それぞれのスタンスを得ようと 試みますが、彼らの個性的な輝きは、それを容易には実現させませんでした。しかし、彼らは気付きます。自らの変形ではなく、それぞれがブレのない、よりPureな輝きを放つことで得られる、超自然的均衡「星状の関係」が存在することを・・・

x+5+5+5+5=X+6+9
X=x+3+5
この極めて単純で、矛盾する2つの方程式が同時に成り立つのだと!

 

「よーし!今年は専攻生のためにオリジナルの5重奏書いてやるか!」
・・・と、つい口が滑っておせっかいなことを言ってしまってから数ヶ月、産みの苦しみを嫌という程味わうことになりました。夏までには・・・と思っていたのが、クリスマス・・・正月と時は過ぎ、完成は2月初旬。学生にとっては、大変な課題になってしまったことでしょう。最後の言い訳をさせてください。「彼らに 対する深い愛情と大きな期待を、一生懸命この作品の中に練りこみました!・・・ので・・・」
(2008年3月14日 大内邦靖)

<玉川大学芸術学部Trb.Ens.>
大塚智也・苅部辰哉・安達枝里子・上原美千絵・颯田昂平
(2008年11月9日LIVE録音)

 

System 7 for 7 Trombones(2009)

 1996年に、ハイパートロンボーンズのために作曲した「System 7 for 3 Trombones」を、玉川大学トロンボーンアンサンブル第3回演奏会(2009/03/22)のために、7重奏用にリメイクした作品。同大学芸術学部トロンボーン専攻生によるアンサンブルにより初演。

1. System 7
2. Love of a Professional-composer
3. 32bit address
4. System error-Restart
5. After Dark
6. Finale
7. Encore

 

 

 

Trombone Trio(2011)

 2011年夏に、トロンボーン3重奏のアカデミックなレパートリー拡充を目的に作曲しました。2012年3月25日、玉川大学トロンボーンアンサンブル第5回演奏会において、同大学芸術学部トロンボーン専攻生によるアンサンブルにより初演。2012年4月1日にHyper Collectionより楽譜が発売されています。

玉川大学トロンボーンアンサンブル 第5回演奏会 プログラムノートより

 トロンボーンアンサンブルの最もポピュラーな編成は4重奏で、そのレパートリーは他の編成に比べ群を抜いています。それに対し3重奏のレパートリーは極めて少なく、まだまだ一般的な編成とは言いません。トロンボーン3重奏の振興と普及には私自身、ハイパートロンボーンズのメンバーとして20年来取り組んでまいりましたが、この度、玉川大学芸術学部の学生諸君にもその重要な任務の一翼を担っていただく事にしました。

 本日初演していただく作品は、テナートロンボーン3本で演奏出来るように音域に制限を加え、中級者の方々にも広く挑戦していただけるように、極端な高等技術の使用を避けました。しかし、これまで、標題的な作品で具体的なイメージをサポートしていたのに対し、敢えて絶対音楽に拘りました。リズムやバランスなどのアンサンブル感覚も、かなり高度な要求をしています。これらを克服して、今後この作品に挑戦してくださる方々のお手本となるような演奏を期待しています。(大内)

ハイパートロンボーンズHPより

 ハイパートロンボーンズは結成(1991年)から20年以上もの間トロンボーン3重奏のレパートリー拡大とその可能性の追求に取り組んできました。このハイパーコレクションによって、私たちが開拓してきた作品を皆さんにお届けする事が出来るようになり、トロンボーン3重奏の認知度や実際にそれを楽しんでくださる方々が増大したことを大変嬉しく感じています。
 これまで、私達自身で演奏する為に開拓してきたレパートリーをご提供するという立場で多くの作品を発信してきましたが、今回は皆さんに演奏していただく事を想定したオリジナル作品をご提供するというスタンスで作品を創作しました。アカデミックな作品が極めて少ないこの演奏形態に、レパートリーを加えたいという思いで創ったこの作品は、複雑なリズムと高度なアンサンブル能力を要求しながらも、どのパートも中級者の方にも無理なく演奏できる音域に設定しました。演奏時間も4分程度で体力的にも実用的・現実的な長さです。各パートの音域は以下を以下に記します。

1st Trb. (Low Bb 〜 High G)
2nd Trb. (Low A 〜 High G)
3rd Trb. (Low F 〜 High Eb)

 決して技術的に簡単な作品ではありませんが、トロンボーン吹きが創った作品ですから、耳から聴く印象ほどは難しくはありません。アンサンブルコンテストなどで上位大会を目指すチームや、優秀なメンバーが3人揃った時は、是非挑戦してみてほしいと思います。
 初演は2012年3月25日、第5回玉川大学トロンボーンアンサンブル演奏会において、芸術学部の学生諸君が素晴らしい演奏を披露してくれました。右のサンプル音源は、ハイパートロンボーンズによるスタジオ録音です。テーマとなる1つのフレーズとそこから派生する音列を、伸ばしたり縮めたり、変形したりしながら随所に隠しました。そんな宝探しゲームを楽しみながら、急速部のドライブ感、コラール部の重厚感を表現していただけたら、こんなに嬉しい事はありません。(大内)

<Hyper Trombones>

 

TKB 25 for 2 Bass Trombones and 5 Trombones(2012) NEW

 2011年に、「つくばトロンボーンクラブ」の委嘱により、同団25周年記念演奏会記念作品として作曲。同演奏会(2012年2月19日筑波ノバホール)において初演。「つくばトロンボーンクラブ」は、筑波大学管弦楽団のトロンボーンセクションとそのOB・OGによるトロンボーンアンサンブルで、年に1回の定期公演を行い、精力的に活動しています。初演にあたっては、難曲にも拘わらず、情感溢れる演奏を披露してくださいました。

つくばトロンボーンクラブ 第25回定期演奏会 プログラム寄稿文

 つくばトロンボーンクラブの25年もの重厚な歴史に最高の敬意を持ってお祝いを申し上げます。また、この節目に、記念作品の委嘱をいただいたことを大変光栄に感じています。
 このお話をいただいた時は、東日本大震災とそれに続く原発事故の直後でした。未曾有の惨事に、芸術は為す術もなく、私も惨状を伝えるテレビの前から離れられずにおりました。やがて、少しの落ち着きと僅かな光が見えてくると、音楽はようやく本来の力を取り戻したように思います。今では、あの惨状を伝えた同じテレビから、大所帯のアイドルグループが元気を振りまいています。そんな忘れられない時代を象徴する作品を記念作品としてお贈りしました。T、K、Bの3楽章から成り、本来、祝賀の意味合いを持つファンファーレを、敢えて冒頭ではなく作品の最後に配しました。作者なりの想いはありますが、それはともかく、聴き手の皆さん、演奏者の皆さんの人生や今の気持ちに照らして、純粋に音楽として楽しんでいただけたら本望です。大内邦靖(2012・1・10)

 

<つくばトロンボーンクラブ>
(2012年2月19日初演LIVE録音・録画)