10801 for Brass Quintet 作曲/大内邦靖
(金管5重奏<2tp Hr Tb Tuba>)
2015年、富山県出身の金管楽器奏者によって結成されたBrass Collectionの委嘱により作曲され、同アンサンブルの演奏会「日本の作曲家による金管5重奏の新しい世界」(2015年9月27日富山 2015年9月28日滑川)において初演された。
「視覚的効果も取り入れたこれまでにないような作品を!」というご依頼を受け、動きを表現方法の1つとして取り入れた。富山に根ざしたアンサンブルからのご依頼だったので、「富山湾」にまつわる5つのエピソードを設定して作品を構築した。それらは連続して演奏される。
1)Divers in-ventilation 「ダイバーのインヴェン(チレイ)ション」
バルブトレモロによるエアノイズやミュートの開閉により、立山の伏流水湧く海にエントリーするダイバーをイメージ。チューバとホルンによる反行型の短いインヴェンション。背景の5連符が「とやまわん」と聴こえたらもうあなたは作品の世界に・・・
2)Crystallazing lives 「水晶化した命」
海中では透明な存在である白エビ・・・常動する節足もまた神秘的・・・大きな群に遭遇したらどんな光景だろう
3)Cramsy Big Mouth 「不器用な大口」
富山湾の深海に生息するオオグチボヤ・・・その異様な姿に反し、動きはほとんどない。もしあんなのに噛みつかれたら・・
プレーヤーの動きによる表現において解釈の幅を広く設定しました。創意溢れる自由な発想でドラマを盛り上げて欲しい。
4)Winter Hot Rodder 「冬の暴走族」
富山湾の冬の名物と言えば寒ブリ・・・徒党を組んで豪泳する様は圧巻!日本のではなく、アメリカの大型バイクのツーリングとイメージが被る。ちょい悪オヤジ達(ブリ)のサングラスが印象的!
5)Illuminated Sadness 「電飾された悲しみ」
ホタルイカは季節になると海岸近くの海表に集団で押し寄せる。砂浜に打ち上げられ、とぎれとぎれに放たれる断末魔の青白い光・・・「ホタルイカの身投げ」と言うそうだ。
(文:大内邦靖)
(金管5重奏<2tp Hr Tb Tuba>)スコア(各パート譜付き)
定価(税込)\5,500.(本体価格\5,000.、消費税\500.)
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